日本語の発音 アクセント核

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こんばんは。日本語シリーズ第4弾くらいですか。

今回は「アクセント核」という専門用語について説明します。

これを知ったからといって発音が良くなるようなものではありませんが、知ればアクセントが少し理解しやすくなるかもしれません。

あ、ちなみに前回記事の最後の方を追加・修正しました。

無声化するパターンとしないパターンの例として、本日公開された京アニ新作アニメ「無彩限のファントム・ワールド 第1話」の和泉玲奈役の早見沙織さんのセリフを載せました。

また、無声化の是非についてかなり控えめな表現に書き換えました。やっぱり原則は、無声化は適切になされるべきです。語尾の「です・ます」のs音だけはしっかり気を付けましょう。

1文字目と2文字目は必ず高さが異なる

1文字だけの単語のアクセントは特殊なので、以下では2文字以上の長さの単語のみ扱います。

アクセントについて解説した回で、日本語アクセントには「頭高型」「中高型」「尾高型」「平板型」があると書きました。中高型はアクセントの長さで「中二高」などの表現がされることも書きました。

しかし、日本語のアクセントは区間なので「開始点」と「終了点」があります(平板には終了点はありませんが)。

となると、「頭高型」と言われても、「1文字目からアクセントに含まれるのは分かったけど、どこで終わるんだよ」となってしまいます。

「中二高」と言われても「どこの2文字だよ」とか、「尾高型」や「平板型」と言われても「どこから始まるんだよ」とかなってしまいます。

これだと、「頭高型」「中?高(?は1以上の整数)」「尾高型」「平板型」という表現は完璧ではないということになってしまいます。

本当にそうなのかというと、実はそうではありません。上記の4通りの表現で完璧にアクセントを表せるのです。

なぜなら、日本語の標準語のアクセントでは、必ず1文字目と2文字目のどちらか一方のみがアクセントに含まれる、というルールがあるからです。

つまり、「頭高型」は1文字目がアクセントに含まれるので、絶対に2文字目はアクセントになりません。アクセント区間の長さは必ず1です。

「中高型」は1文字目がアクセントではないので、必ず2文字目からアクセントが始まります。

「尾高型」「平板型」は、最後までアクセントが続くので、1文字目からアクセントが始まると2文字目のアクセントになってしまい、3文字目以降からアクセントが始まると1,2文字目が両方非アクセントになってしまうということで、「中高型」と同じく、必ず2文字目からアクセントが始まります。

ちなみに、私は大阪生まれ大阪育ちなのですが、私の話す関西弁では上のルールは成り立たない場合が多いです。

例えば、「新聞紙」は標準語では中二高です。つまり「シ[ンブ]ンシ」。

ですが、関西弁では下のようになります。

.   ブ
.    ン
. シン  シ

オリジナルの記号で書くなら「シン[ブ]ンシ」です。1,2文字目が両方とも非アクセントですね。最初の「シ」と「ン」は同じ高さになるんですね。下のボカロ調声してるときに気づきました。

鏡音レンV4X Powerに関西弁の「新聞紙」を言わせたのがこちら。

また、「書初め」は標準語では平板です。「カ[キゾメ」。ですが、関西弁では

.    メ
.   ゾ
.  キ
. カ

となりますが、これは「カキゾ[メ」ではありません。実は(私が話す)「カキゾメ」にはアクセントが無くて、この後に来た助詞や動詞の頭にアクセントが来ます。

鏡音レンV4X Powerに関西弁で「書初めする」と言わせたのがこちら。ちょっと区切りすぎな発音になってしまいましたが、こんなものを本気で調声する気は残念ながらありません。

これで最後。「開催」は標準語では平板です。つまり「カ[イサイ」。ですが関西弁では、

カイサイ

となります。つまり、頭からずっと高い平板型、「[カイサイ」となります。

鏡音レンV4X Powerに関西弁で「開催することになったんやけど、」と言わせたのがこちら。最後にサービスで長めです。アクセントは「[カイサイスルコ]トニナッ[タ]ンヤケ[ド]ー」。最後は「どぉ、」って感じで、「ド」で上がって語尾で下がります。ところで何を開催するんでしょうかね。

関西弁には成り立ちませんが、標準語では上記のように「1文字目がアクセント(頭高型)なら2文字目はもうアクセントじゃない、1文字目がアクセントじゃないなら2文字目からアクセント」というルールが常に成り立ちます。

これを踏まえて、「アクセント核」の説明に入ります。

アクセント核は「アクセントの終端」

見出しの通り、「アクセント核」とは、「アクセント区間の最後の文字」のことを言います。すなわち、アクセント核の直後にピッチ(音の高さ)が低くなります。「滝」がある、とか言います。

なぜ最後にだけ名前がついているかと言うと、「最後の位置がどこか」さえ分かればアクセントが分かるからです。

前述の通り、頭高型アクセントの場合は必ず「1文字目のみ」がアクセントになるので、アクセント核は「1文字目」になります。

頭高型アクセント以外は、必ず2文字目からアクセントが開始するので、開始点の情報は不要です。ちなみに平板型はアクセント核が存在しません。

したがって、「アクセント核が無ければ平板型」「アクセント核が最後なら尾高型」「アクセント核が1文字目なら頭高型」「前述の3つでなければ(アクセント核が2文字目~後ろから2文字目のどれかなら)中高型」と判断できます。

標準語について、「アクセント核とはアクセント区間の最後の部分(アクセント記号で角になってる部分)のこと」「平板型アクセントにはアクセント核が存在しない」「アクセント核の位置が分かれば単語全体のアクセントが特定できる」ということを覚えておきましょう。

さて、前節最後で関西弁のアクセントを紹介しましたが、それを見るとアクセント核は変化していないように見えます。

しかし、実際はアクセント核が変化する場合もあります。

せっかくなので標準語→関西弁のアクセントとアクセント核の変化パターンを書いてみます。(あくまで私が話す関西弁であり、また、すべての単語がこのルールに従うとは限らないと思います)

アクセント分類:標準語 → 関西弁:アクセント分類(赤文字がアクセント核)

頭高型:[]ナナ → バ[]ナ:中一高

頭高型:[]ンガ → []ンガ:頭高型

尾高型:オ[ト] → []トコ:頭高型

中二高:カ[ミ]リ → カミ[]リ:中一高

中三高:カ[イケ]サク → [カイケ]サク:頭高中高型

中三高:ヤ[ブレ]ブレ → ヤブレ[]ブレ:中一高

平板型:ツ[クエ → [ツクエ:頭高平板型

平板型:ウ[サギ → ウサギ:アクセント無し(ピッチはだんだん上がっていきます)

平板型:フ[ライパン → [フラ]パン:頭高中高型

……。

思いつくままに書いてみたものの、なんとも節操がありませんね。(頭高中高型、頭高平板型、というのはオリジナルの表記です。)

規則性を発見するのは非常に困難だと思います。(複合語でのアクセントの法則あたりを考えるともうちょっと規則的になるかもしれませんが。)

さて、関西弁はややこしいですが、標準語は簡単ですね。アクセント核の位置でアクセント全体が判断できます。

ですが、実際には、複合語はどうなるの?文になるとどうなるの?プロミネンスが付くとどうなるの?みたいなややこしい話が大量にあります。

※複合語とは、単語と単語が組み合わさってできた単語のことです。「解決+策=解決策」とか「内閣+総理+大臣=内閣総理大臣」とかです。このとき、複合前の単語のアクセントがどのように影響するのか、という話があります。「複合語 アクセント」で検索すると色々出てきます。

※プロミネンスとは、文の中の特定の単語に掛ける重みのことです。「私は昨日、友達と大阪へ行った」という文で、日付を強調するなら「昨日」を、誰と行ったかを強調するなら「友達と」を、行き先を強調するなら「大阪へ」を強く発音する、というものです。「プロミネンス」ってかっこいいですね。

以上が「アクセント核」の解説です。もっと実践的な理論をやろうとするとかなり難しくて私がそもそもついていけないのでこんな感じです。

次回はアクセントの平板化現象に書いてみようかな、と思いつつ、つまらない記事になりそうなので滑舌の話でもしようかな、とかも思っています。

それではまた。

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