人工知能の衝撃

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こんにちは。めちゃくちゃ久しぶりですね。

一回更新が滞ると面倒になってしまうのですが、良くないですね。

さて、つい最近、人工知能界と囲碁界に大事件がありましたね。

囲碁界で言うと、井山六冠が十段戦に挑戦して、史上初の七冠が誕生するか!?というのもありますが、それじゃないです。いや、十分そっちも楽しいんですけどね?(盛り上がり方的に、伊田十段がかわいそうな気も。)

タイトルがネガティブかもしれませんが、ポジティブな記事ですよ~

AlphaGoの衝撃

最近、将棋において人工知能が活躍しており、プロ棋士の中でも強い方の棋士を負かすようなソフトも登場しています。

一方、囲碁においては人工知能はまだまだでした。囲碁電王戦というのもドワンゴ主催で行われましたが、9路・13路でプロ棋士全勝。去年は「囲碁ソフトは県大会優勝レベル。プロに勝つなんて少なくとも10年は先でしょう」と言われていました。

(9路・13路というのは囲碁の盤の大きさの話。囲碁は縦横に引かれた格子状の線の交点に石を置くが、その線の数が縦横9本ずつ(交点は81個)なら9路。タイトル戦などは19路(交点は361個)で行われる。大きくなるほど複雑になり、コンピュータよりも人間が有利になると言われている。)

しかし、今年1月、衝撃のニュースが公表されました。

AlphaGo: マシンラーニングで囲碁を

昨年10月に、Google傘下の人工知能研究会社「Deepmind(ディープマインド)」が開発した囲碁ソフト「AlphaGo(アルファ碁)」が中国のプロ棋士Fan Hui氏と対局し、5戦5勝したというのです。

少なくとも10年先とか言ってたのに、ディープマインド社に一気に10年縮められたのです。

これには囲碁界も人工知能界もびっくり。

しかし、「Fan Hui氏はプロの中ではそれほど強くない方だ」という意見もありました。

が、なんと、プロ棋士の中でもトップクラス(過去10年にわたりトップクラスに君臨。レーティング世界3位か4位ぐらい)である韓国のイ・セドル氏との対局が決定したのです。

将棋界では、A級棋士(順位戦で名人を除いてトップ10)がソフトと対局して敗れたことはありますが、3本の指に入るような棋士はまだ強豪ソフトと対局していません。(ソフトが今ほど強くないときに、渡辺竜王がBonanzaと対局したことはあります。渡辺竜王が勝ちました。)

とにかく、この一大イベントは囲碁界と人工知能界だけでなく、将棋界からも注目されていました。

そして、一昨日3/9、全5局中の第1局が行われました。(イ・セドル九段先手)

結果は、AlphaGoの勝利。

続いて昨日3/10、第2局が行われました。(AlphaGo先手)

結果は、AlphaGoの勝利。

ニコニコ生放送で、第1局開始直後に行われた全5局の結果予想アンケートでは、イ・セドル九段の5勝が47.9%、4勝1敗が17.3%でした。0勝は10.3%。

つまり、この時点で67%の人の予想が外れています。(強豪将棋ソフトponanza開発者の山本一成さんはセドル1勝4敗と予想)

ちなみに昨日の第2局開始直後のアンケートではイ・セドル九段の4勝が15.2%、0勝が26.7%でした。

この予想外の結果に各界で激震が走りました。

AlphaGoは悪手が多い?

ニコニコ生放送での大橋六段の解説、YouTubeでの囲碁プレミアムでの解説、囲碁棋士のツイッター、などを見ながらYouTube中継を視聴していたのですが、その内容がなかなか恐ろしかったのです。

ニコニコ生放送での大橋拓文六段と熊 丰六段のコメントを中心に流れを見ていきます(タイムシフト見れます)

第1局。

序盤にて「イ・セドル九段が珍しい手を打った」とのこと。対ソフト戦略か、咎められるか確認したいのか。(咎めるというのは、相手が変な手を打ったときに、それをしっかり利用して有利に持っていくこと)

序盤、AlphaGoの手を見て「イ・セドルさん勝ったんじゃない?」「AlphaGoが、悪くなる可能性が高い手を打った」「プロなら絶対に打たない」「イ・セドルさんなら最後まで勝てるんじゃない?」など。

序盤、「白(AlphaGo)が順番間違って打ったので、黒がもっと良い手を打った」「意外な手がいっぱい出てきた。なにこれ」

序盤~中盤(ここまでの手を見て、AlphaGoは5か月前にFan Hui氏に勝った棋譜より強くなったか?という問いに対して)「全く強くなってないと思います」

中盤、「セドル先生が時間を使うのが心配。いつもならもっと早く打つ」「上辺の黒(セドル側)が怪しく見える。大丈夫か?これ」

中盤、熊六段「僕はまだ黒(イ・セドル九段)持ち」大橋六段「僕はまったく五分ぐらいなイメージ」

中盤、「黒(イ・セドル九段)がえらい良くなった気がする」「黒が打ったては『勝ちました』という手」「中央黒は大きい」「安心」

中盤、「気になっていた上辺の黒(セドル側)を白が脅かしたが、黒が完全に生きた。一方、右の黒が薄くなった」「これ(白AlphaGoの手)はかなり難しい手。むちゃくちゃな手ではない」

中盤、三村智保九段が「黒(イ・セドル九段)が勝った」とツイート。ニコ生解説でも「黒勝ったんじゃない?」「黒が良さそう」

中盤、「白(AlphaGo)のスベリを見たときは黒勝ったと思ったけど、難しい」「きわどい」「白も結構いい利益な気もする」

中盤の終わり頃、「白(AlphaGo)がだいぶ勝負手成功」「でもまだ黒がいいと思う」

中盤の終わり頃~終盤、「白(AlphaGo)が自信ありげな手を打った」大橋六段「(地を)数えた上で、白良さそう」熊六段「僕はまだ黒(イ・セドル九段)持ちかな」山本さん「白AlphaGoは自分が良いと思っているようだ」

中盤の終わり頃~終盤、三村先生が黒圧勝とツイート。

終盤、熊六段「黒(イ・セドル九段)いいんじゃない?」大橋六段「僕はあまり黒持っても自信ないんですけど」

終盤、「白地が60目を超えた」「ヨセで白(AlphaGo)が損した?」「余裕の損じゃない?(十分差があるので、多少損しても勝てるという意味の損)」

終盤、「どう数えても(黒イ・セドル側の地が)足りないと思う」大橋六段「(黒が)はっきり悪いと思う」

終盤、「黒(イ・セドル九段)が頑張って70目ぐらい。白はかなり控えめに見て65目ぐらい。コミ分入れるとはっきり……(黒が負け)」「逆転の可能性はありますか?」「無いです」

終盤、「AlphaGoはどうでしたか?」「これどうしよ。強い」

終盤、大橋六段「(途中の手について)左下だけ見て黒が良いと思ったんですけど、進行してみると下辺で役に立ったから、(AlphaGoが)これを分かってて打ったのなら怖い。(自分や他の人間が)先入観で判断してた部分があった。」「(AlphaGoは)形だけ見て悪い手かと思ったが、20手ぐらい進むと良くなったという手が多かった」「(そのとき打った手について)これが打てるのか~」YouTube本放送のレドモンド先生が"Amazing"と。大橋六段「これ(黒イ・セドル九段が)いっぱい負けてるねー」

終盤、「(白AlphaGoは)綺麗に見切って、自分の予定通り進んで勝ってるような感じ」

イ・セドル九段が投了。「セドルさんらしくなかった」「AlphaGoがセドルの持ち味を出させなかったのでは?」等。

まとめると、序盤「イ・セドル勝った」中盤「たまに危ないけど、イ・セドル勝ちだろう」終盤「AlphaGoが余裕で勝ち」

という感じでした。

「好手ばっかり打って勝ち」ではなく、「悪手を打ったと思ったら2,30手先には悪手じゃなくなってた。そんなんばっかりでいつの間にか白優勢になってた」という感じなのが怖いです。

人工知能に「その感覚、間違ってるよ」と宣告されたようです。大局観においてAIが勝っていたという感じ。

さらに怖いのは、第2局の解説は第1局の結果を踏まえて慎重になるかと思いきや、序盤「今日はイ・セドル勝ちましたね」中盤「イ・セドルが良いっぽいけど、どうなんだろう……」終盤「AlphaGoの弱点が見えない」という感じでした。

2局連勝ということは、先手でも後手でも勝ったということなので、このままいけば全敗も十分あり得ます。(実際には、2局ともコウが無いのでコウに勝てるチャンスがあるかもしれません)

明日、第3局が行われますが、これでイ・セドル九段が負ければトータルで負けが決まります。逆に言えば、明日勝てばまだトータル勝利の可能性も残ります(残り全勝が条件ですが)。

これはネガティブなニュース?

ニコ生などの中継ではあまりに予想外の衝撃であるのでお通夜状態になってしまいますが、私はこれはポジティブなニュースだと思います。

現在二十歳である私は、80歳まで生きるとしても、60年後の世界までしか目撃できません。なんと悔しいことか。

しかし、今回、去年には10年先だと思われていたことが現実に起こりました。

例えば、昨年末ごろ、余命1年の老人がいたとして、囲碁と人工知能が大好きで、「人工知能が囲碁で人間のプロに勝つのは10年以上先か。その瞬間を見られずに死ぬんだなあ」と思っていたとします。

AlphaGoが無ければそうだったのです。が、今回、AlphaGoがトップ中のトッププロに勝ちました。その老人は、見られないはずだった10年後の世界を見ることができたのです。

同じように、あと60年くらい生きるかもしれない私も、今回のAlphaGoの開発のおかげで、さらにいろんな人工知能やボードゲームにおける研究が進んで、今だと100年後に起こるだろうというような出来事を50年後くらいに見ることができるようになるかもしれません。

それは相対的に言えば私の寿命が延びたようなものですね。ですよね。

一年前から今まで、1年経ったかと思いきや、ワオ!なんと10年経っていたのです。でも私は1歳しか年を取っていない。すごい!

ということで、もちろんイ・セドル九段には人間の意地を見せてほしいですが、明日もしっかりと10年後の世界を見ていきたいと思います。

でも明日バイトなんだよなあ……

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