こんにちは。ふるやん(@furuya1223)です。
私は大学院生のときに漢検準一級に合格したのですが、最近は漢検一級の勉強をしています。
とりあえず一級範囲の四字熟語をほぼ全部覚えるところから始めようと思っています。
そこで、勉強のための単語帳を作ったので、作り方を共有します。
Python スクリプトを載せておくので、環境があれば一瞬で作れます。
Quizlet で勉強
私は四字熟語の勉強に Quizlet というアプリを使っています。
Quizlet は単語帳を作成して勉強できるサービスで、無料でも利用できます。
準一級の勉強でも、四字熟語には Quizlet を利用していました。
Quizlet では、単語帳を作成するときに、タブ区切りのテキストを貼り付けて複数枚同時に作成することができます。Excel からコピペするときに使う方法です。
そこで、一級範囲の四字熟語をタブ区切りで並べたテキストを作成して、Quizlet にコピペして単語帳を作成します。
なお、Quizlet では単語帳を公開できますが、別のサイトからコピーしてきた四字熟語と意味を使った単語帳を公開するのは著作権的に微妙かも、と思ったので公開はしていません。
同じものを使いたい方は、本記事に載せる手順でご自身で作成してください。
単語帳には、片面に「四字熟語と読み」、もう片面に「意味と読みの一文字目」を載せます。
例えば 八面六臂 であれば、片面に「八面六臂(はちめんろっぴ)」、もう片面に「一人で何人分もの働きをして素晴らしい結果を出すこと。または、様々な分野で素晴らしい結果を出すこと(は)」とします。最後の (は) が読みの一文字目です。
なお、この意味は 四字熟語辞典ONLINE に掲載されているものの引用です。
この、意味と読みの一文字目を見て、漢字を書く練習をします。
書けなかったときは「もう一度学習する」、書けたときは「分かりました」を選択することで、書けなかったものだけを再び出題してくれます。便利。
では、単語帳の作成方法を紹介します。
単語帳の作成方法
まず、四字熟語辞典ONLINE の 1級の四字熟語 のページを見ます。ここに、一級の範囲の四字熟語がたくさん掲載されています。
このページの「四字熟語一覧」の表を、テキストファイルにコピペします。広告も関係なくすべて選択してコピペします。
表示上は、意味が途中で途切れて「~という……」のように「……」で終わっていますが、コピペすればすべて表示されます。
そして、以下のようなテキストファイルが作成されます。
前後に余計なものが入った場合は削除してください。途中の空行は放置して大丈夫です。
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哀鳴啾啾(あいめいしゅうしゅう)鳥や虫の悲しそうに鳴く鳴き声のこと。 「哀鳴」は鳥や獣が悲しそうに鳴いている様子。 「啾啾」は鳥や虫が低い声で鳴いている様子。 愛楊葉児(あいようように)やなぎの葉を愛する幼児という意味。 幼児が黄色く色づいたやなぎの葉を見て黄金と思い込み大切にするということから、浅い知識のままで、真理を追究しようとしないこと。 浅い知識のままで満足することを戒めた仏教語。 鴉雀無声(あじゃくむせい)周囲に動くものもなく、静まりかえった様子のこと。 鴉(からす)や雀(すずめ)の鳴き声すらしないという意味から。 ... |
このテキストファイルは、「漢字(読み) 意味」という形式になっています。
これを、「漢字(読み)[タブ文字]意味(読み一文字目)」という形に変換します。
また、意味の中に「「哀鳴」は鳥や獣が……」というように四字熟語に含まれる漢字を使って説明している文がありますが、これを除外します。鉤括弧を含む文を除くルールです。
さらに、とあるデータによると「之」が含まれる四字熟語の出題率は異様に低いらしいので、これも除外します。
以上の処理を行うのが以下の Python スクリプトです。
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import re # https://yoji.jitenon.jp/cat/kyu1.html input_filename = 'yojijukugo.txt' output_filename = 'cardlist.txt' with open(input_filename) as f, open(output_filename, 'w') as out_f: for line in f.read().splitlines(): line = re.sub(' ', '', line) # 半角スペースを削除 if line == '': # 空行を飛ばす continue idx1 = line.index('(') # 漢字と読みの境界 idx2 = line.index(')') # 読みと意味の境界 kanji = line[0:idx1] # 漢字を取り出す yomi = line[idx1+1:idx2] # 読みを取り出す detail = line[idx2+1:] # 意味を取り出す if '之' in kanji: # 之を含む四字熟語を除外 continue details = '。'.join([t for t in detail.split('。') # 句点で文に分割 if '「' not in t and t != '']) # 鉤括弧を含む文を除外 entry = f'{kanji}({yomi})\t{details}({yomi[0]})' out_f.write(entry+'\n') |
先程作成したテキストファイルを yojijukugo.txt としています。
出力するファイルは cardlist.txt としています。
この Python スクリプトを、yojijukugo.txt がある場所に配置し、実行すると、以下のような cardlist.txt が作成されます。
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哀鳴啾啾(あいめいしゅうしゅう) 鳥や虫の悲しそうに鳴く鳴き声のこと(あ) 愛楊葉児(あいようように) やなぎの葉を愛する幼児という意味。幼児が黄色く色づいたやなぎの葉を見て黄金と思い込み大切にするということから、浅い知識のままで、真理を追究しようとしないこと。浅い知識のままで満足することを戒めた仏教語(あ) 鴉雀無声(あじゃくむせい) 周囲に動くものもなく、静まりかえった様子のこと。鴉(からす)や雀(すずめ)の鳴き声すらしないという意味から(あ) ... |
このテキストをすべてコピーして、Quizlet の学習セット作成ページの「Word、Excel、Google Docsなどからインポートする」をクリックして表示される入力欄にペーストします。
すると、カードが作成されます。
一番上のカードの記載内容をクリックして、入力欄右下の「言語を設定」から「日本語」を選択すれば完成です。
一応、「閲覧できるユーザー」を「自分だけ」に設定して保存しましょう。
これで、単語帳が作成されたので、ブラウザやスマホアプリを用いて勉強しましょう。
書けなかった四字熟語については、1級の四字熟語のページでページ内検索(ひらがなでOK)をして、意味を確認すると良いかもしれません。「「哀鳴」は鳥や獣が……」みたいな説明を読んだほうが覚えやすいので。
ということで、四字熟語単語帳の作り方の共有でした。