漢検準一級を受けました

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こんにちは、ふるやん(@furuya1223)です。

以前ツイッターでこんなアンケートを取りました。

漢検準一級が僅差でトップだったので、本日受検しました。

せっかくなので、結果や感想を書いてみます。

結果・勉強法・感想

結果

確実な誤答を減点した結果、188点/200点満点となりました。漢検準一級は80%(160点)が合格基準なので、ほぼ確実に合格です。やったー。

ただ、勘違いや雑な書き方や書き間違いなどで、ここから点が減ることもあります。とはいえ、減っても5点程度だと思うので、9割の得点は確実っぽいです。

すべての過去問(一周目)よりも点が高かったので嬉しいです(過去問はあまりたくさん解いていませんが)。成長していますね。昨日と今日の午前は漢字の勉強ばっかりしてましたからね。

勉強法

漢検準一級は難しいです。特に、知らない言葉がたくさん出てくるのと、四字熟語が大変です。

漢字というより語彙が試される試験ですね。

そのため、問題がたくさん載っている本が無いと大変です。

私が使用した問題集は以下の2冊だけです。

過去問をたくさん解きたい方は過去問題集もあると安心感があって良いと思います。

まず、「カバー率測定問題集」を最初から解いていきました。

写真のように、解けた問題に蛍光ペンで線を引いていきました。解けないものではなく、解けたものです。

とりあえず一通りこのチェックを行なったら、線が引かれていない問題の答えを見て覚えます。

別の日に、勉強する前に線が引かれていない問題のテストをします。解けたら線を引きます。

そうして、全ての問題に線が引かれた「見開き2ページ」ができたら、その右ページの右上を折り曲げます。ドッグイヤーです。

最終的にこうなりました。

一部折り曲げていない部分がありますが、これは後回しになっていた対義語・類義語の余りです。今日の午前にここの勉強をしました。

また、四字熟語や難しい語彙は Quizlet という単語帳サービスを利用して iOS アプリで勉強しました。タブ区切りのテキストなどで追加できるので使いやすいです。PCで単語帳を作成してスマホアプリで勉強ができます。

四字熟語は「意味→書き」、語彙は「読みと意味→書き」、読みと書きは問題集や過去問と同じ形式で作成しました。四字熟語は同じ意味のものがあるので、その場合は意味に「読みの頭文字」を載せました。

「カバー率」がある程度埋まったら「精選演習」を使いました。読みや書きはほとんど解ける状態なので、解けない問題だけをマークしました。

ただし、「共通の漢字」は苦手だったので「カバー率」と同じく解けたらマークしました。

また、「文章」は一切手を付けませんでした。ここ勉強してもあまり意味無さそうな気がしたので。

過去問は勉強の最初に解いて、それ以降もたまに解きました。最初に解いたときは80点でした。

勉強法はそんな感じです。

本番の感想

問題が2つ折りの紙の内側に書いてあって、糊付けされているのですが、試験開始の合図で一斉にベリベリとめくるので音がすごくて面白かったです。

読みは迷うものも多かったですがそれなりに順調に進みました。

「共通の漢字」は最初 5 しか分からず、1 から 4 は空欄で続きに移りました。

前半は「共通の漢字」以外順調でしたが、後半の四字熟語の意味と読みで、知らない四字熟語だらけだったので焦りました。

2, 4 が空欄のまま続きへ。

対義語・類義語も 7, 8 が分からず空欄のまま続きへ。

故事・諺は割と順調。

文章題では前半の出典が『舞姫』でちょっと嬉しかったです。『舞姫』は高校で読んだので、ストーリーが分かっているおかげで文脈の把握がスムーズにできました。

後半の内田魯庵『時文小言』は難しい文章でした。

最後まで終わったら、空欄にしていた「共通の漢字」を考えました。なんとかひねり出して全部かけました。

その後は空欄を考えるもののほとんど分からず。適当に埋めたり空欄のまま放置したりしました。

『舞姫』の書き問題の一つ(ソウゼン)の誤りに気づいたので訂正しました。気づいてよかった。

一通り確認も終わったので、不安な問題の答案を問題用紙にメモしていきました。

あとは類義語をひたすら考えましたが、結局最後まで分かりませんでした。

手応えは割と良かったですが、9割は取れていないと思っていました。自信が無かった部分が思ったより合っていて嬉しい。

やっぱり熟語そのものの知識がなくても、字の知識から解ける問題は多いですね。やっぱり語彙だけでなく漢字そのものの知識を問う試験でした。

熟語の勉強をするときも、それぞれの字の意味を考えましょう。

以下、誤答と、自信がなかったけど正解だった問題を書いておきます。

誤答

(三)熟語の読み・一字訓読み

7. 輯睦

「シュウボク」が正解ですが「ユウボク」と書いてしまいました。完全に「揖」と勘違いしていた。でも「輯らぐ:やわらぐ」は正解できました。「らぐ」が続く言葉はあまり無いですし、「睦」が持つ「親睦・和睦」的な意味から類推できました。

(五)書き

30. 当夜はショコウを回った頃会社を出た。

調べても分からないです。同音異義語の問題で、29番が「解決の曙光が見える」でした。誰か教えて。

追記:

標準解答が公開されたので確認しました。「初更」だそうです。

夜を5つに分割する「五更」という表現があり、「初更・一更・甲夜」「二更・乙夜」「三更・丙夜」「四更・丁夜」「五更・戊夜」と呼ぶそうです。「初更」はこの1つめであり「戌の刻(午後7時か8時から2時間)」を表すそうです。

https://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E6%9B%B4-500308

(七)四字熟語(意味と読み)

1. 痩せた土地の形容:[黄茅]白葦

四字熟語は合ってたのに「オウボウ」と書いてしまいました。正解は「コウボウ(ハクイ)」。悔しい。

2. 官能を刺激するみだらな音楽:[鄭衛]桑間

これは読めたけど意味と合致せず。字面が意味に合わないと思っていたら「鄭」「衛」は人名(彼らの音楽がみだらなものだったらしい)で「桑間」は地名らしい。字が意味を表していなかった。

(八)対義語・類義語

7. 哀歓 の類義語:キュウセキ

「休戚」が正解でした。単純にこの言葉を知らず。「休」は喜び、「戚」は悲しみだそうです。「休」が喜びなのは難しいですね。

8. 自儘 の類義語:ホウシ

「放恣」が正解でした。これも言葉を知らず。字を見ると意味はわかりやすいですね。「奔放」の「放」に「恣(ほしいまま)」ですからね。思いつけませんでした。

(十)文章

キ. 碍ぐる

「さまた(ぐる)」が正解でした。古典的な送り仮名も相まって「そ(ぐる)」と誤答。「碍」には「ガイ・ゲ・さまた(げる)」の読みしか無いですね。

自信無かったけど正解してた問題

(一)読み

6. [鎌利]なる新月を……

「レンリ」で正解でした。問題集か過去問かで「鎌刃:レンジン」という読みを見たことがあったので正解できました。「鎌のように鋭い」という意味だそうです。ちなみに「利鎌」だと「トガマ」ですね。

10. 夫の訃報に涙の[聯珠]をほとばしらせる

「レンジュ」で正解でした。「聯」は「連」で書き換えられる字で、「連珠」は競技五目並べのことを言います。意味的に「五目並べ」は変だなあと思いましたが、そもそもの「玉を連ねる」という意味で「涙の」とつながるようです。文全体をちゃんと読みましょう。

11. ……[砧杵]の声を聞く

「チンショ」で正解でした。問題集で「砧声:チンセイ」という読みを見たことがあったので正解できました。ちなみに「砧」は「きぬた」ですね。

15. [鳶肩]の若い衆に……

「エンケン」で正解でした。「鳶飛魚躍:エンピギョヤク」などの四字熟語のおかげですね。

17. [蚤夜]酒食に耽溺した

「ソウヤ」で正解です。「蚤」が「ソウ」と読むことに自信がなかったのですが、問題集に「蚤起:ソウキ – 蚤い:はやい」という読み問題がありました。忘れていたのですが正解できてよかったです。

18. [畦丁]……

「ケイテイ」で正解です。これは全く自信がなく、「畦:あぜ」の右側だけ見て「ケイ」を推測しました。「ケイチョウ」の可能性もあるなあと思いながら書きましたが、正解できてよかったです。

30. 倭文(しず)の[苧環]繰り返し……

「おだまき」で正解です。文の意味が分からん。何かの韻文からの出典でしょう。「苧」の字は「苧麻:チョマ」でも見ますが、これは訓読み問題なので「苧殻:おがら」が思い浮かびました。「環」は訓読みで「わ」の他に「たまき」と読みます。つなげると「おたまき」ですが、どこかで聞いたことがあるような…… ポケモンのルビサファに登場する「オダマキ博士」ですね。ダイパに登場するのは「ナナカマド博士」ですが、「ナナカマド(七竈)」は植物の名前です。なので「オダマキ」もおそらく植物の名前で、こう書くんだろうと推測しました。ありがとうポケットモンスター。

(四)共通の漢字

2. 武器を捨てて幕府に(?)順した。・故郷に(?)臥し……

「帰順(反逆心を改めて、服従すること)」「帰臥(官職を退いて故郷に帰り、静かに生活すること)」です。第2文の「故郷に」から「帰る」という意味を想像し、「帰順」もなんかありそうなので書きました。

3. 敗戦の報に挙(?)を失う・巧妙な(?)辞を駆使した詩

「挙措(人の立ち居振る舞い)」「措辞(言葉のつかい方・言いまわし)」です。「挙措進退」という四字熟語から「挙措」を想像したものの、「挙措を失う」の意味が分からず不安でした。「挙措を失う」は「取り乱した行いをする」という意味だそうです。それだけだと引っ掛けの可能性もあるのですが、「措辞」を「辞(=言葉)を措(お)く」と考えれば「表現の仕方」みたいな意味になるかなあと思って書きました。

4. 生徒の情(?)教育に……・学課も(?)行も申し分ない

「情操(社会的価値をもった複雑な感情)」「操行(平素の行い・品行・素行)」です。「情操教育」という言葉は知っていましたが、字に自信が無かった。あと意味を知らなかった。「社会的価値をもった複雑な感情」って何。どうしようもないので「情操教育」の字をなんとか思い出して書くしかできませんでしたが、正解できてよかったです。

(五)書き

12. ケイバクを解かれて……

「繋縛」で多分正解です。解かれるので縛られているのだろうなあという推測です。「緊縛:キンバク」という言葉もありますしね。仏教用語になると「ケバク」と読むそうです。

(八)対義語・類義語

10. 不調法 の類義語:ソコツ

「粗忽」で正解できました。これは「不調法」の言葉を知らなかったので「粗忽」と同じ意味なのか不安でした。「行き届かず、手際の悪いこと」や「過失・不始末・粗相」の意味があるそうです。

(九)故事・諺

7. 幽谷を出でてキョウボクに遷(うつ)る

「喬木」で正解でした。全く意味が分かりませんが知っている「キョウボク」がこれしか無かったので書きました。合っててよかったです。鳥が深い谷間から舞い上がって樹木に飛びうつることから、出世や成長を意味するらしいです。

(十)文章

2. ホウチュウを過ぎ、室の戸を開きて入りしに……

「庖厨」で正解でした。「君子庖厨に入るに忍びず」という故事成語で「庖厨(台所)」を知っていたので正解できました。文脈からも屋内の様子を描いているみたいですからね。

3. ソウゼンとして死人に等しき我が面色……

「蒼然」で正解でした。最初「騒然」と書いてしまいましたが、文脈から考えるとそこにいるのは主人公とエリスだけです(出典は『舞姫』でした)。「面色」とも書いてあるので、ここは「蒼然」だろうと重い書き直せました。「古色蒼然」などの四字熟語で「蒼然」の表現を見たことがあったのも良かったです。

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